29年 秋の「能と謡」ー定期公演 29年10月28日(日)10時から 入場無料
台風22号の接近で一日中雨。予定していた観客も足止めか。近親者や親しい友人は訪れ、知人の出番が終わるとそそくさと去る。そんな一日でした。HP管理人兼撮影者の出番もあり公演全部の記録は無理。しかも雨のため、撮影角度に変化がないため、今までとは少し趣を変えた編集とした。
まずは、能「岩船」の「あらすじ」から。そして最後に素謡や仕舞・舞囃子をサムネイル扱いで編集した。
<あらすじ>天皇に天探女(あまのさくめ)が宝珠をささげ、また船いっぱいの宝物を乗せた船が漕ぎ寄せてくる。その船を竜神が八大竜王を引き連れて守護するという誠にめでた尽くしの曲なので、祝言能として最後に演じられることが多い曲である。そのため半能といって後半のめでたい部分だけを上演されることが多い。
黒は前シテ、赤は後シテ | 前シテの手に持つ宝珠 | 竜神のかぶり物 |
当日行われた「素謡」や「仕舞」、「舞囃子」の記録写真が撮影しなかった出し物もあったが、以下にサムネイルで載せたが、見たい写真をクリックするとおおきくなります。
10時開始、素謡 「項羽」 |
羅生門 |
大鼓のベテラン素囃子 |
若手の小鼓 |
以上3名の写真に失敗 中堅の笛 |
仕舞「枕児童」 |
仕舞「花月」 | 舞囃子「女郎花」 | 「花月」 | 舞ばやし「半蔀」 |
29年 薪能「天鼓」日時 例年秋彼岸の中日 pm5時30分より
寒くもなく風もない夜、400名近くの観客があったという。数日後、寄せられた感想には「レベルの高い演技であった」ことや、「能鑑賞中は気が付かなかった秋の虫たちの大合唱(主にコオロギ)は自然環境にに恵まれ見所が屋外という会津能楽堂ならではの効果だった」などがあった。
会場つくり | 電気の焚火台ー風情ないが | 前シテ用と後シテ用(右) | 唐扇(画家の会員が自作) | 装束部会員の活動 |
天鼓のあらすじ 中国・後漢時代のお話です。王伯・王母という夫婦があり、妻が天から鼓が降って胎内に宿るという夢を見ました。すると本当に子どもが授かったので名前を「天鼓」と付けした。その後、天から鼓が降ってきて、子供は鼓とともに育ちましたが、その鼓の発する音は人々を魅了し、評判になりました。その噂を聞いた皇帝は鼓を献上するように勅命を出します。しかし、天鼓はこれに応ぜず鼓と共に隠れてしいます。しかし、あえなく捕えられ、呂水に沈められ、鼓は宮殿に運ばれましたが、楽師などの誰が打っても全く音を発しません。 皇帝は天鼓の父・王伯に打たせよと勅使を送り召し出します。王伯は鼓が鳴らなかったら自分も殺されると思い、我が子を胸に思い鼓を真剣に打つと、この世のものとは思えない音色が響きました。感動した皇帝は。王伯に褒美を与え、天鼓を沈めた呂水のほとりで、夕方から管弦講(音楽で弔う法事)を開くことにしました。
講のため皇帝が行幸すると、天鼓の霊が現れ、懐かしそうに鼓を打ち、楽師たちの管弦に合わせて喜びの舞を舞います。やがて、ほのぼのと夜が明け空が白む頃にいつしか消えていくのでした。 ここでの亡霊は怨念や恩愛といった情念からはかけ離れた精霊のように描かれています。 亡霊は怨念や恩愛といったこの世の情念からはかけ離れた精霊のように描かれています。
前シテ 上野正義 後シテ 折笠成美 ワキ 渋川兼三
大 坂内庄一 小 栗城幸子 笛 野崎邦子
地謡 船木真一 二瓶 晃 佐藤 仁 深谷信也
鈴木圭介 平山 昇 一条正夫 星 英男
後見 佐藤ヨシカ 渡部静子 角田久美子 長谷川桂子
春の能「雲雀山」と謡 平成29年4月27日 会津能楽堂10時開始
10時開始前、能楽堂の重い雨戸を開き、見所の長椅子を並べ「掃くのはもったいないなー」などと話しながら、ニセアカシアの花びらを掃く会員たち。演目は素謡、仕舞、舞囃子、最後は能「雲雀山」。
珍しく素囃子の演目もあり、笛には後見(指導者)がついた。
若い会員も | 小袖曽我 | 素囃子「神舞」 | 装束方の活躍(ワキ) | (後ワキヅレと前シテ) |
舞囃子「七騎落」 | 素謡「藤」 | 仕舞「右近」 | 仕舞「花筐」 | 素謡「籠太鼓」 |
能装束方の活躍中 | 素囃子「羽衣」 | シテは直前に代役 | 仕舞「玉の段」 | 観世流 素謡 「箙」 |
地謡い方囃子方が坐し、「庵」が運ばれたところ | いつものパターンだとワキがまず登場するのが、ここではワキヅレ | 今 日も花を売りに里に出るようにと侍従に言う |
侍従は庵を訪ね姫に挨拶する | 山から里に下りて行く前シテ。 <中入り > | |
午前中は観客も少ないが能が始まる頃に増えてきます | 横佩の右大臣豊成(ワキ)は雲雀山に鷹狩りにやってきます | ワキとヮキヅレが出て謡う場面が<中入り>後に。 |
主君のためにと、花束を持って後シテがやってくる | シテ舞(ヵケリ)の一コマ | 花束を買ってほしいといわれ、ワキヅレは買う |
侍従ははじめ姫は亡くなったと答えているが、豊成公の前非を悔いる真心を知り、育ててきたことを明かす。 | 父と姫は親子の再会に喜び、奈良の都へと向かいます | 奈良の都の八重桜 咲きかへる春ぞ めでたき 春ぞめでたき と舞う「かへる」は懸詞 |
前シテ 渡部妙子 後シテ 山垣美枝子子方 山垣杏桜子 ワキ松尾幸生 ワキヅレ 長澤 豊 従者 皆川米作 大鼓 坂内庄一 小鼓 折笠成美 笛 寺田林太郎 地謡 渡部 静子 古田 豊子 堀 篤子 佐藤 文江 渡辺ヒロ子 佐藤ヨシカ 栗城幸子 遠藤ヒロ子 後見 上野正義 山垣正英 長谷川桂子 |
||
最後に、宝生流と観世流の合同のため「高砂」より 「千秋楽はーー」を謡って、すべての終わりとなる |
あらすじ 右大臣藤原豊成公は部下の讒言を信じ我が子(姫)を殺すよう家臣に命じるが、乳母の侍従(前シテ)により、姫は雲雀山の庵に匿われます。侍従は花を売り、姫の養育をしている。今日もまたは花売りでるようにいわれ、姫に挨拶しいろいろ話を交わします。 一方、豊成公は雲雀山に鷹狩りにやってくるが、侍従から花を買って欲しいと頼まれる。侍従は花に託して身の上話し、山奥に住んでいること、霞網にかかった小鳥のように身動きならない姫が痛ましいと狂ったように舞います。豊成は姫の乳母であるに違いないと、前非を悔いていると真心を伝える。親子の再会を果たし、喜んで奈良の都へと帰って行くのでした。